未成年との淫行・飲酒にはどのような罰則があるのか

最近よく芸能人の未成年者との淫行や飲酒が世間を騒がしていますね。

でも、報道などをよく見ると芸能人だけではなく一般人でもこのようなニュースがあることがわかります。

特に大手の企業に勤務している人、公務員など…ある程度社会的が高いような人は報道されることが多いような気がします。

私たち普通のサラリーマンでもうっかり問題が発覚してしまったり、巻き込まれてしまうことがないとは言えないのではないでしょか?

そこで、トラブルを防ぐためにもいろいろと調べてみました!

まず、タイトルの通り罰則があるのかとうことです。
具体的には法に触れるのか、犯罪になるのかということですね。
淫行と飲酒の場合、それぞれ以下のようになるようです。

■飲酒の場合

淫行よりも飲酒の方が実際の場面には可能性があるかもしれませんね。
まず、未成年者本人の飲酒はご存知の通り法律で禁止されています。
「未成年飲酒禁止法」という法律で、何と大正11年に制定されたもの(最終改正は平成13年)なのでカタカナで書いてあります!

第一条  満二十年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス
 2 未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者若ハ親権者ニ代リテ之ヲ監督スル者未成年者ノ飲酒ヲ知リタルトキハ之ヲ制止スヘシ
 3 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満二十年ニ至ラサル者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ酒類ヲ販売又ハ供与スルコトヲ得ス
(以下略)
(参考:未成年飲酒禁止法)

これだと解りにくいのですが、要点は以下のとおりです。

  • 20歳未満の人が飲酒することを禁止する
  • 未成年者の親権者や監督代行者が未成年者が飲酒をしたと知った場合には止めさせる義務がある
  • 業者は未成年にお酒を販売してはならない

ただ、この法律で規定されている罰則は、未成年者にお酒を販売した販売店、未成年者の親権者や監督代行者に限っていて、飲酒した未成年者本人や一緒に飲んだその他の人に対するものはありません。ここで言う監督代行者とは、親権者に準じるか親権者に代わる程度の関係が必要とされています。

つまり、未成年者と同席していた親権者や監督代行者以外の人が罰則を受ける可能性は少ないと言えるでしょう。

また、他の法律に抵触する可能性もないようです。

■淫行の場合

まず、「淫行」とはどのような行為を指すのかを確認しておきたいと思います。
最高裁判所の判例では以下のようになっています。
「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」(最大判昭60.10.23

強制的ではないものや金銭が介在しない場合、よく問題とされるのは法律ではなく、各都道府県等で定めている通称「青少年保護育成条例」です。
この条例の名称は都道府県によって違います。例えば埼玉県では「埼玉県青少年健全育成条例」ですが、東京都の場合には、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」などとなっています。条例の名称が違うだけなら良いのですが、都道府県によって禁止される行為と罰則にも違いがあるのです。

例えば埼玉県の場合、「何人も、青少年に対し、淫らな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。」(19条)で、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(28条)です。
一方東京都の場合、「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。」(18条の6)で、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(24条の3)です。

このように地域によって差はあるので確認が必要ですが、罰則がない地域はありません。
ただ、13歳未満であった場合には強制的ではなくても強姦罪(刑法177条)や強制わいせつ罪(刑法176条)が成立してしまいます。
青少年健全育成条例では「青少年」としているのも18歳未満で、地域によって結婚した者は除くなどの規定もあり、正確には「未成年」ではありませんが、ここではまとめて未成年を13~17歳ぐらいの場合として調べていくことにします!

淫行で逮捕された!罰則は?とるべき行動とは?

未成年との付き合いではトラブルを未然に防ぐことが大切だということが分かりました。
青少年保護育成条例による淫行で突然逮捕されてしまったとします。その時の対処法は事前に知っておいた方が良いかもしれません。
逮捕ということは身体を拘束されてしまうことです。自由な行動ができないために、対応方法を調べる手段というものも無くなってしまいます。
とりあえず、ここでは、実際に淫行であったのかどうかということや、自衛手段を取っていたか否かということは置いておきます。

■逮捕に前触れはあるのか

まず、逮捕にも様々なパターンとなって逮捕まで至ることが考えられますが、行為の最中に見つかり現行犯逮捕ということはあまり考えられないのではないかと思います。
捜査機関が事前に調査して、逮捕するなりの証拠を固めてから正式に逮捕できるのは、裁判官による令状が必要です。
場合によっては行為者本人に対して任意の事情聴取が行われることもありますが、いきなり自宅に警察官がやってきて逮捕というパターンも数多くあります。
任意の事情聴取であれば僅かの時間の間にも対応を考えることができます。もちろん刑事事件に強い弁護士を探し、相談してから取り調べに臨むのがベストです。

■逮捕されてしまったらまずは弁護士!

とにかくまず
1.弁護士を呼ぶ

2.弁護士と話をするまでは黙秘する

この2つのことを覚えておきましょう。
1に関しては逮捕された後に自由に会うことができるのは弁護士以外にはいないからです。これは接見交通権と言い、どんな人にも保障された権利です。
ただ、普段の生活では弁護士とは関わらずにいる人も多いはずです。弁護士を呼びたくても心当たりの弁護士がいない…そんな時には「当番弁護士」を呼んでほしいと頼んでください。費用の心配がある人も最初の接見は無料となるので、その時に相談しましょう。そのまま行くと、48時間の逮捕を経て最低10日間、拘留延長でさらに10日間というコースがほぼ確実に待っています。起訴されるとこの状態はさらに続きます。まずは保釈を目指しましょう。
一番差が出来てしまうのがこの最初の対応です。
弁護士と対応を協議した後で供述なり、否認なりをするのが理想的です。

強制的なものや金銭が介在した場合には厳しい罰則

今まで青少年保護育成条例による例を考えてきましたが、他の法律に抵触する可能性も一応考えてみます。
単純な「淫行」だけではない場合、さらに事態は複雑化してきます。

まず、強制的なものであった場合には強姦罪等(刑法177条~180条)や強制わいせつ罪(刑法176条)となってしまう可能性があります。
また、金銭が介在した場合には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に抵触し、5年以下の懲役または300万円以下の罰金と重い罰則があります。

なお、18歳以上の場合でも、売春防止法という法律で対償を受けて不特定の相手方と淫行すること自体はする方も相手方になる方も禁止されています。
18歳以上では行為自体の罰則はありませんが、違法行為であるということには変わりませんので注意が必要でしょう。ただ、人目に触れるような方法で勧誘した場合には懲役6か月未満または1万円罰金となる可能性はあります。

このほか、18歳未満を児童と定義する児童福祉法34条1項6号でも「何人も、次に掲げる行為をしてはならない。」として「児童に淫行をさせる行為」を禁止し、10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(併科)としていますが、自ら相手方となるよりは第三者を相手方とすると考えられています(ただ、最近は行為者も対象になると考えられる説も有力になってきています)。

未成年との淫行で相手が年齢を偽っていた場合はどうなるの?

ここまで調べたとおり、未成年との淫行では青少年保護育成条例によって刑事罰となることがあることが分かりました。(前記事:未成年との淫行・飲酒トラブルを未然に防ぐ為に取るべき自衛手段)

ただ、相手が年齢を偽って金銭的な損害を与えたなどの因果関係がある時に限っては未成年本人にも詐欺罪に問われる可能性があることも分かりました。
それでは相手が年齢を偽っていた場合、騙された側はどうなるのでしょうか。ここでは金銭的なやり取りはなかった場合で考えてみます。

■年齢を知らなかったらどうか?

都道府県の条例では、罰則は違うものの、年齢を知らないことを理由として処罰を逃れることができないと規定している地域がほとんどです。

故意(18歳未満と知っていながら)で行為に及んだとしたら当然のこととして、「知らなかった」では済まされないのです。年齢を確認しておかなければならかったということになります。相手の年齢を知らないほうが悪い!ということのようですね。
例えば埼玉県の条例には次のような規定があります。

(前略)規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、(中略)までの規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。(埼玉県青少年健全育成条例31条)

ただし、東京都などごく一部地域の条例にはこの「知らなかった」に関する規定はありません。つまり、都道府県によっては知らなかった場合は問題にならない可能性もあるということです。
それでは、年齢を確認しておかなければならない地域で、確認をして騙されていたとしたらどうなのでしょうか?例えば、年齢を聞いたときに20歳だと言っていた場合です。

■「年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない」とは?

ここで問題になるのが、先の埼玉県条例の最後にあった「過失がないときは」の部分です。
過失がないということは、要するに未成年ではないときちんと確認をしたということです。ただ、この確認はどの程度の確認なのでしょうか。
例えば、出会い系サイトなどであれば18歳未満は利用できません。そのために、そもそも相手は18歳以上であると考えるのが自然ではないでしょうか。また、口頭での確認などはどうなのでしょうか。

■年齢確認のハードルは高い

これは残念ながら一律には言えず、解釈の幅があるようですが、公的な身分証明書のようなもので確認しなければならないという厳しい立場を取る場合が多いようです。
もしも立件されてしまった場合、これを争点に戦うしかなくなってくるのではないでしょうか。どこかの段階で年齢を確認したとしら、それが正しかったという主張を弁護士さんに頑張って主張していただくしかないのかもしれません。

未成年との淫行・飲酒トラブルを未然に防ぐ為に取るべき自衛手段

未成年との淫行・飲酒ではトラブルがつきものです。

刑事的な責任を問われること以外にも、相手方の保護者から責任を追及されることも考えなければなりません。
巻き込まれないように気を付けるのが一番の方法です。
そこで、未成年と付き合う上でトラブルを未然に防ぐ為の自衛手段を考えてみたいと思います。

■未成年との飲酒の場合

未成年が飲酒すること自体は違法行為ですが、本人や同席していた人に対して罰則はないことは確認できました。
以前は寛容だった大学生による飲酒でも、急性アルコール中毒などによって命を落としてしまう事故などが多発していて、世間の目は厳しい状況です。
未成年の飲酒で起こり得る一番のトラブルは、健康面での問題です。
法的に問題があるというばかりではなく、心身に与える影響などを考慮すれば絶対に止めましょう。相手方が自発的に飲もうをしている場合にも、止めるように声をかけるのが一番です。
もしも、一緒に飲んだ相手が未成年で、被害が出てしまった場合に責任を取らなければならないのはあなたかもしれません。

■未成年との淫行の場合

未成年とも恋愛関係にある場合には性行為などは問題ないことが確認できました。
そのためにはそれなりの期間付き合いが継続していることや、将来を約束している事実が必要でしょう。現実的などうかは別として、相手の保護者にも伝えた上でのお付き合いが一番良いのかもしれません。
少なくとも出会ったばかりに行為に及んでしまうというようなことは避けたいものです。

■相手の年齢を知らないことがトラブルの元!

一番トラブルになりそうなのが、相手の年齢を知らないなど、18歳以上だと言われて、それを信用したままうっかり行為に及んでしまう場合です。
青少年保護育成条例では、多くの地域で相手の年齢を知らなかった場合にも罪に問われてしまいます。過失であってもです。過失がないと言うには公的書類での年齢確認など、かなり高いハードルが求められます。
現実的にそのような方法で年齢を確認してまで淫行に及ぶということは考えられないのではないでしょうか。
誘われたからといって、誘惑に負けてつい軽い気持ちで手を出してしまうということは避けたいものですね。

■ネットでの出会いは特に気を付けて!

これらのリスクを一番孕んでいるのはネットでの出会いです。
相手の年齢なども含め、はじめて人と会う時には信用しないというぐらいに考えておいた方がよいかもしれません。
真剣交際するのも、日常生活のルートからというのが一番良いのかもしれないですね。