未成年との淫行・飲酒。未成年の方には罰はないの?

ここまで、未成年者飲酒禁止法、青少年保護育成条例では未成年本人に対する罰則がないとこと確認しました。
それでは、未成年の本人が年齢を偽っていたらどうでしょうか。人を騙すというと、詐欺罪にならないかなどが気になるところです。

■年齢を偽ってお酒を購入した場合

例えばお酒を買うときに店員さんに20歳以上の年齢を告げて騙し、お酒を購入してしまというようなケースです。
人を騙して手に入れるのだから詐欺には当たらないのでしょうか。
刑法の詐欺罪では以下のような条文があります。

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。(刑法246条)

これだけだと解らないのですが、詐欺罪が成立するために実際には簡単に以下のような4つの要件すべてが必要となっています。
それは、

  1. 人を騙して(欺く)
  2. 勘違いをさせ(事実誤認・錯誤)
  3. 財産を処分させ(財物を奪う)
  4. これら1~3に因果関係があること

です。

この考え方をお酒の例に当てはめると、詐欺罪としては少々厳しいのではないでしょうか。
なぜなら、お金を支払ってお酒を購入し、その結果お店の側に何ら不利益がなければ③は成立しなからです。結果的にお店に損害を与えてしまい、その因果関係を証明されてしまった場合には詐欺罪の可能性もありますが、極めて低いと言ってよいでしょう。
このため、未成年者の方が刑事罰の対象となることは通常は考えられません。
もちろん、未成年が飲酒しているところを警察官に見つかった場合には補導されるということは当然あり得ますが、刑事罰という意味での罰とは言えない程度です。

■年齢を偽って淫行した場合

淫行の場合はどうでしょうか。例えば、20歳以上だと偽った未成年者は罪に問うことができるのでしょうか。
もちろん、嘘をつくこと自体が違法行為となるわけではありません。時には真剣な交際相手であっても嘘をついてしまうこともあるかもしれません。
ただし、そこに金銭などが介在してくると詐欺罪の可能性も出てきます。
もし、淫行の対価として、年齢を偽ってお金などを取っていたとなったら先ほどの詐欺罪の要件にすべて当てはまる可能性があるということですね。
詐欺罪の罰則は10年以下の懲役で、罰金刑はなく比較的厳しいものです。
ただし、未成年の場合にはよほどひどい事情がない限りは基本的には少年法が適用され、実刑となることは稀で、更生処置となることが多いのではないでしょうか。